
健康保険(組合保険)は加入できる認可地域が限定されている場合があります
安い地域を選びたいところですが、保険料率は毎年変わるので地域別の健康保険料率だけで転居先を決めるべきではないです。
健康保険は種類によって保険料率が変わり、組合保険以外は原則として都道府県か市町村の自治体単位で保険料率が違います。
国民健康保険は市町村単位。中小企業などが加入する協会けんぽは都道府県単位で保険料率が決まるルールです。
そのため、健康保険の加入認可地域は保険料率の決定に大きな影響を与えます。
また、一部の組合保険は認可地域内に住んでいることが加入条件になる場合があります。
国民健康保険は現在住んでいる地域で加入し、その地域の保険料率が適用されるルールです。
原則として住民票がある市町村で加入するべきものですが、何かしらの理由があって住民票と実際に住んでいる地域が違う場合は役所へ個別相談してください。
国民健康保険料は自治体の財政や高齢者比率などによって変わります。
地域格差が大きく、財政難で高齢化が進む地域の健康保険料は高いので注意しましょう。
国民健康保険の料率は年度毎に見直されていて、改定によって大きく変わることも珍しくありません。
国民健康保険料だけを比較して住む地域を変更するのは合理的ではないです。
財源が豊かな自治体は国民健康保険料が安いほか子育て支援が充実しているなど様々な恩恵があります。
住みやすさや自治体の各種制度、支援・整備の実績を考慮して引っ越し先を選ぶのは合理的です。
協会けんぽは都道府県単位で保険料率が変わります。
令和6年でもっとも保険料率が高いのは佐賀県で10.51%、安いのは新潟県の9.33%でした。
【全国健康保険協会】令和6年度協会けんぽ保険料改定のお知らせ
協会けんぽの場合は従業員が住んでいる地域ではなく、所属している会社の所在地で保険料率が決まります。
複数の都道府県に支店がある会社の場合は、支店単位で保険料率を決定するルールです。
従業員700人以上の大企業が加入する独自の組合保険は、基本的に全ての地域で加入できます。
昨今はリモートワークの普及によって会社の所在地から遠く離れた所に住居を移す人が増加中です。
共同設立された一部の組合保険は加入できる地域が限定されていて、これを「加入認可地域」と呼びます。
一例として大阪文化芸能国民健康保険組合は大阪府だと全域で加入できますが、その他の都道府県は市町村ごとに加入認可地域が定められています。
東京都は全域、神奈川県は横浜市・鎌倉市・相模原市、静岡県は(田方郡) 函南町のみなど自治体の規模は関係ありません。
共同設立に参加している団体の所在地などによって加入認可地域が変わるので、気になる組合保険があれば加入認可地域を事前に確認しておきましょう。
個人事業主やフリーランスの単独加入は加入認可地域外だと断られる可能性が高いです。
多くの従業員を抱える中小企業が新規で組合保険に参加したい場合は、交渉次第で加入認可地域を広げてもらえるケースもあります。
以下の記事では個人でも加入できるおすすめの健康保険4つをご紹介しています。
まず加入する保険組合を探したい方は以下の記事をご確認ください。
以前は窓口で全ての手続きをしないといけない問題から、団体や組合の拠点がある地域のみを加入認可地域にするケースが多かったです。
昨今はリモートでの対応やオンラインでの手続きが普及したため、加入認可地域を拡大させるケースが増えています。
窓口になる拠点から遠くに住んでいる場合でも、足を運んで手続きをする必要性が減っています。
加入認可地域は拡大傾向ですが、一部の組合保険は狭い地域に限定していることもあり、個人事業主などの新規では簡単に加入認可地域を拡大してもらえません。
組合保険に加入を検討している方は、気になる組合保険の加入認可地域を事前に確認して加入先を選ぶようにしましょう。